girlish

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「ふんふんふふふふ〜ん　ふふふ〜ん　ふふふ〜ん♪」 今日は久しぶりにお兄様とデートの日。今日はどんなコースにしようかしら？ きっと今日もお兄様はデートコースなんて考えてないわよね。まず公園の時計の下で待ち合わせだからそこから……そうだ、靴屋さんで今日のこの服に合うブーツを見繕ってもらおうかしら。……っともうこんな時間じゃない！早くでかけなくっちゃ。

外に出ると12月の冷たい風がそっとスカートを揺らして……このスカートじゃちょっと短すぎたかしら？でも今から戻って履き替えてる時間なんてないし……このまま行ってもきっと大丈夫……よね。それにいざとなったらお兄様に直接温めてもらえばいいんだし♥脚を暖めるなんてお兄様ったら一体どんな方法で……キャーッ♥お兄様ったら人がこんなに見てるところで……♥もう、ダイタンなんだから……♥♥♥

待ち合わせの場所に着いたときには約束の時間より3分くらい過ぎてたけれど、お兄様の姿はまだなくて……もしかして今日のデートの約束忘れてるんじゃないかしら、ってちょっと心配になっちゃったの。でもすぐに遠くからお兄様が手を振りながら走ってくるのが見えて…………お兄様が約束を忘れてなくてよかった。それだけのことなのにすごく安心しちゃって。まぁ、私との約束を忘れてたなんていったらゼッタイ許してあげないけどね♥

遅刻した罰として今日は一日中私と腕を組んで歩くっていう提案、お兄様は恥ずかしがってたけれど無理矢理おしきっちゃった♥ だってこんなことでもなくちゃ、お兄様ったら腕も組んでくれないんだもの。ホントはもっといろいろなことをしたいけど…………腕を組むだけでこんなに真っ赤な顔になっちゃうお兄様相手じゃまだまだ無理そう。いつもは一緒に並んで、たまに手をつないだりするだけのデートだけど…………こうして腕を組んで歩いてると私達、恋人同士に見えるかしら？こうやって歩いてると道行く人が私達をうらやましがってるように見えたりして。あ、お兄様ったらいま上の空だったでしょ。「恋人である」私を差し置いて他の女の子のことを考えたり、目で追ったりなんかしたら許さないんだから！…………なーんてね♥

靴屋さんでブーツを買ってカフェでお茶して……楽しい時間はどんどん過ぎて行っちゃう……。お兄様は私と一緒にいられる今日の時間がどんどん少なくなっていっちゃうの、寂しくないのかしら。このブーツのヒールの分だけでもお兄様の心に近づけたら、お兄様の心がわかる気がするのに。このまま時間が止まってしまえば……。お兄様がデート中に腕時計をチラっとみるたびにそうおもってたこと、お兄様は気づいてたかしら？

夕方になって街灯にも灯りがともり始めて……今日のデートもこれでおしまい。本物の恋人同士みたいに最後はキスでお別れしたいところだけど…………今はまだ許してあげる。いつか私がお兄様を想うのと同じくらい、お兄様が私を想ってくれるそのときまで、ね♥

（終）